2012年9月1日土曜日

9月マンスリーダンスセッション


9月からマンスリーダンスセッションは、毎月10日に変更しました。
早いもので、甲谷さんが独居を始めて5年、スペースALS-Dが始動して、4年以上が経ちました。
準備から始動当初は、かなりきつい日々もありましたが、今では、色々な意味で安定していて、このままヘルパーも高齢化し老老介護になっていくかも!などと、冗談?を言っているくらいです。
私自身の踊りにとっても、甲谷さんと介護に加わりながら、スペースを共有する事は、意味のあることでした。なにか運命的なものさえ感じます。
甲谷さんとは、元気な時、本当に沢山の事、芸術、社会、宗教性、などについて語り合い、学んできました。そして、その中心には、いつもカラダとは?という問いがあったと思います。
私は、その問いに対する、甲谷さんの真剣さ、執拗さに、圧倒されながら、何とか喰らいついていたという感じでしょうか。
その甲谷さんが、今、ほぼ100%随意筋での運動機能全廃の状態でいます。
甲谷さんは、そのような状態でも、だからこそ、カラダとは?という問いに、我と我が身を賭けて入っていっているように思います。
甲谷さんは、発病後、「病気になってからの、気づきは大変多い、元気な頃の数十倍といっても過言ではない」とか。「深刻になるのは間違っている、深刻さと真剣は違う、真剣さにはユーモアがある」などと大変意味深い言葉を残していますが、それらとは別の、一つ私とのある対話を述べたいと思います。
独居生活が始まって、しかしかなり病状が進んできたある日、その頃「きつい、きつい」と訴える事が続いていたので、私は「何がそんなに辛いの、肉体的なこと?精神的なこと?」とあまり意味のない質問に対して、「辛いのではない、私はそのような言葉は使ってこなかったでしょ。」といわれました。—この会話は文字盤で何とか読み取れたものです—
私は、機と気づきました。「確かにそのような言葉は、使ってこなかった。辛い事や悲しい事はあったに違いないが、そのような感情に巻き込まれず、そのような状態でも、意志強く、その中で必死に生きている。まるでそれも恩寵であるかのように。」私は、本当にすごい奴だと思わずにはおられませんでした。
現在、甲谷さんは、ほとんど文字盤での会話ができなくなっています。ある精神的危機の時期も越えて、今とても穏やかになっています。ほとんど悟りを開いたのかと思わせるほどの柔和な笑みを浮かべている時も多いです。今こそ、色々な会話ができればととも思いますが、それは、普通の言葉ではあらわせないものなのかもしれません。
私は私が踊っている舞踏について、「舞踏とは何ですか」と聞かれて、「身体で表現するのが従来の舞踊だとすれば、舞踏はカラダを表現しようとするものだ」と答えています。
カラダとは?という問いに我と我が身で入り、その途方もない景色、繋がり、迷宮を表わしていくものだと。
そのような意味でも、甲谷さんが隣にいて、日々接し、私達の踊りを見てくれる事はとても、意義があります。
甲谷さんから、私が何を学んだか、それを述べるのは、とても難しく、私にとって、宿題です。
しかし、私が真剣に踊りに向き合ってしかできない事だと思っています。
由良部正美
—マンスリーダンスセッション—
みる、きく、おどる、どんな参加も自由な毎月第一土曜日のリーラ
ソロダンスタイム 由良部正美
DJ 白石哲
 
時間 9月10日(月曜日) 午後5時半〜7時半(平日なので、以前と時間が変わっています。)
土曜日には来る事ができないという方も、いらっしゃったので、毎月10日にしました。
料金 予約1500円 当日2000円
場所 スペースALS-D 京都市北区紫野南舟岡町38−23
地図は私のブログを御覧下さい。
予約 yurayura5@nike.eonet.ne.jp  090-5155-3543 由良部
  20名ほどの定員です。なるべく早くご予約下さい。